ドラマ「MIU404」がますます加速!1話完結の刑事ドラマですが、散りばめられた伏線とつながる謎や過去が面白い。今の日本社会が抱える、目を向けるべき社会問題がテーマだ。1時間のドラマなのに内容や訴えるテーマが、重くて深い…。日本人が目を向けるべきテーマが、胸に突き刺さる。ドラマのスピード感も面白いが、取り上げるテーマも、深く悲しい問題であり、日本人があらためて気づく、我々視聴者に訴えかけるドラマだ。
日本が抱える社会問題が深く重い、野木亜紀子が世の中へ訴える影響力
野木亜紀子さんの脚本らしく、内容がとてもスリリングでテンポが良い。見ている方は、引き込まれて涙する。なぜ、野木亜紀子さんは、ここまで世の中に近い題材をテーマにするのか?きっと、世の中を近くで見ることができる人だからこそ、世の中が目を背けて、聞き流すことへ近づきリアルな現実を描く。そんな姿勢があるからこそだと感じる。本当に、リアルで現実的な世界を作ってくれる。ドラマ、「アンナチュラル」でも同様に感じた人は多いはずだ。弱い人間側の心の声を、世に放ってくれるのだ。
第4話では、裏社会に手を染めた人間は、二度とまともな社会では生きられない、生きようとしても裏社会がまたつながってくる、自分のような自由を奪われた少女を助けたいと、命をかけて最後を生きる女性の話。弱いけれど強い人間の、人生の賭けを描いた。人生を狂わせた暴力団、助けてくれない警察、無情な世の中へ訴えた…手取り14万で働いて、惣菜買って…そんな、日本のリアルが視聴者をさらにひきこんだ。美村さんの演技がすごかった、きっと、共感した人も多かったはずだ。
第5話は、外国人労働者を低賃金で働かせてパワハラ・セクハラ、いじめや差別など、外国人労働者を使い捨てにする日本の社会を訴えた。志摩は、犯人の水森に対し…「少しは楽になっただろうか、罪を叫んで裁かれることで、ずれた世界をダテメガネでごまかして、ごまかしきれなかったんだろうな…」と語る。日本は、外国人労働者に対しての扱いが不当ではないのか?技能実習生の現実を突きつけた。東京都内のコンビニなんてほとんどが外国人スタッフだ。日本人は、外国人労働者を安くで働くロボットか何かと思ってないか?要らなくなったら捨てるのか?日本人の外国人労働者に対する考え方を、視聴者に突きつけた。
野木亜紀子さんの取り上げるテーマが、とにかく身近であり、日本人がリアルに感じる日常なので、見終わったあとに考えさせられてしまう。野木亜紀子さんの影響力の大きさを感じると同時に、野木亜紀子さんは世の中の弱き者の代弁者として叫んでいるかのようにも見えてしまう。
志摩の過去が明らかに、相棒殺しの真相
第4話から第5話そして第6話へと、志摩(星野源)の過去が明らかになってきた。第5話では、志摩のフラッシュバック。
酒のビンと電球、倒れるサンダルを履いた人。そして、捜査一課からは「相棒殺し」と呼ばれていた。
捜査一課時代は、香坂(村上虹郎)が相棒だった。香坂は新米刑事だった。若さゆえに勢いがあり、命を落とすという結末になってしまったのか?伊吹(綾野剛)は、九重(岡田健史)の力を借りて、志摩の過去を調べていく。志摩(星野源)と香坂(村上虹郎)の間には何があったのか?香坂の不審な死はなぜ起きたのか?志摩と香坂が度々、ぶつかり合う場面が原因で志摩は、香坂の不審な死について、疑われることに。
志摩が抱える闇の過去が、第6話であきらかになる。伊吹は志摩を救えるのだろうか?2019年から現代へと追いついた瞬間、志摩は生きているのだろうか?
ナウチューバーと成川が接触、菅田将暉の狂気に期待
さて、菅田将暉演じる怪しい男が、志摩(星野源)と伊吹(綾野剛)に近づいてくる。成川岳(鈴鹿央士)が、ナウチューバーの特派員RECへメールを送った。助けてくださいと。世の中に影響力がある「ナウチューバー」の拡散力がどのように利用されるのか。成川は、バシリカ高校の3年。先輩のせいで陸上部が廃部になった事を根に持ち、同級生と警察の業務妨害を繰り返していたが、一人だけ逃げ切っている。そこへ、菅田将暉演じる怪しい男が接近。薬物の世界へ成川は引き込まれて行くのか?菅田将暉の登場が、第3話に少しだけでその後は姿を見せない。さあ、そろそろ、大きな存在感で登場なのか?狂気的な人物であるのは間違いないので、楽しみで仕方がない。
野木亜紀子さんの描く世界が、本当にリアルで身近だ。現代の日本へ叫ぶ声、弱き者であり強い人間の声。ドラマという、世間への影響力が大きい媒体を使い、匠に世間へ訴える声は、確実に世の中へ届き響いている。